高気密高断熱の家は、一年を通して快適な室内環境と経済的なメリットをもたらすとして注目されています。
外気温に左右されにくく、夏は涼しく冬は暖かい住まいは、多くの人の理想とする住まいの一つでしょう。
しかし、その快適性を最大限に引き出し、長く安心して暮らすためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
知っておくべき注意点や、家づくりにおける重要な要素について解説します。
高気密高断熱の家で注意する点
換気計画の重要性
高気密高断熱の住宅は、外気の影響を受けにくく室内の温度を保ちやすい反面、室内の空気がこもりやすくなるという特徴があります。
施工に使用される建材から発生する化学物質や、室内に発生するホコリなどが滞留しやすいため、健康的な室内環境を維持するためには、適切な換気計画が不可欠です。
2003年以降、日本では24時間換気システムの設置が義務付けられており、計画的に空気を循環させることで、常に新鮮な空気を取り込み、シックハウス症候群のリスクを低減し、快適な居住空間を保つことができます。
信頼できる業者選び
高気密高断熱住宅の性能は、施工会社の技術力や経験に大きく左右されます。
特に、充填断熱工法の場合、壁内にわずかな隙間が生じるだけで内部結露が発生し、建物の劣化につながる可能性があります。
そのため、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。
施工実績が豊富であること、特に北海道や東北などの寒冷地での実績があるか、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に対応しているか、そして気密測定を適切に実施しているかなどを確認すると良いでしょう。
素材選びのポイント
住宅の断熱性能を決定づける断熱材には、繊維系(グラスウール、ロックウール、セルロースファイバーなど)や発泡プラスチック系(ポリスチレンフォーム、ウレタンフォームなど)など、様々な種類があります。
それぞれに断熱性、吸湿性、耐火性、価格などに違いがあり、メリット・デメリットも異なります。
また、窓の素材やガラスの種類(単板ガラス、複層ガラス、トリプルガラスなど)も断熱性能に大きく関わります。
これらの素材選びは、室内の温熱環境に直接影響するため、専門家と相談しながら、ご自身の希望や予算に合った最適な仕様を選択することが大切です。

高気密高断熱の家とは
快適な室内環境を実現
高気密高断熱の家は、魔法瓶のように外気の影響を受けにくいため、夏は涼しく冬は暖かい、一年を通して快適な室内環境を実現します。
部屋ごとの温度差が少なくなるため、リビングで暖かく過ごしていても廊下に出ると寒さを感じるといったことが起こりにくくなります。
この温度差の解消は、特に冬場にリスクが高まるヒートショックの予防にもつながります。
また、計画的な換気と適切な湿度管理により、結露の発生を抑え、カビやダニの発生リスクを低減できるため、健康的な生活を送るためにも有効です。
さらに、外部からの音の侵入も抑えられるため、静かで落ち着いた住環境が得られます。
光熱費削減などのメリット
断熱性と気密性が高い家は、冷暖房機器の使用頻度や設定温度を低く抑えることができるため、光熱費の大幅な削減につながります。
室内の熱が逃げにくく、外の熱も入りにくいため、一度快適な温度になれば、その状態を長く保つことができます。
これにより、エネルギー消費量を抑え、経済的なメリットを享受できるのです。
さらに、結露が発生しにくくなることで建材や構造体の劣化を防ぎ、家が長持ちしやすくなるというメリットもあります。
湿度管理がしやすくなるため、梅雨時などの室内干しでも洗濯物が乾きやすいという利便性も得られます。
建築費用や乾燥などのデメリット
高気密高断熱の家は、高性能な断熱材や気密材を使用し、丁寧な施工を行う必要があるため、一般的な住宅と比較して建築費用が高くなる傾向があります。
しかし、長期的な視点で見れば、冷暖房費の削減によって建築費用の差額を回収できる可能性もあります。
また、断熱性・気密性が高いということは、室内の湿気も外に逃がしにくいということです。
そのため、特に冬場には空気が乾燥しやすくなることがあります。
乾燥肌や喉の不調を感じる場合は、加湿器の使用や、洗濯物の室内干しなどで湿度を調整する必要があります。
さらに、換気計画が不十分な場合や、気密施工に不備があると、内部結露が発生したり、シックハウス症候群のリスクが高まったりする可能性も、注意すべき点として挙げられます。

まとめ
高気密高断熱の家は、一年を通して快適な室内環境と光熱費の削減といった大きなメリットをもたらします。
しかし、その性能を最大限に引き出し、デメリットを最小限に抑えるためには、適切な換気計画の実施、信頼できる業者選び、そして断熱材などの素材選びが非常に重要となります。
これらの点をしっかり理解し、計画的に進めることで、理想とする快適で健康的な住まいを実現することができるでしょう。
